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もういいかい

ハンセン病と3つの法律

住み慣れた地で家族と平和に暮らしたい、人間らしく生きたい―そんな素朴な、ごく当たり前の願いが、ある日突然、国策という名のもとに奪い去られた人たちがいました。
彼らの運命を決定づけたのは三つの法律―「らい予防に関する件」「(旧)らい予防法」「(新)らい予防法」です。

彼ら、彼女らが強制隔離された地は遠い異国ではなく、私たちが暮らすこの国土にありました。その地に送られた人たちは、名前を変えさせられ、ふるさとへの帰郷は許されませんでした。ハンセン病という理由だけで、この地でひたすら死を待つ生活を強いられたのです。

 人々の視界から消し去られ、記憶の外に追いやられた人たち、子孫断絶を強いた断種・堕胎、園内労働による手足の障碍、懲戒検束規定による監房・重監房、国を挙げての無らい県運動・・・。ハンセン病療養所とは何だったのでしょうか。

 この映画は、療養所の中で何が行われ、入所者はどのような生活を送っていたのか、多くの証言に基づいてその仕組みと実態を検証し、三つの法律をもとに展開された絶対隔離政策など、百年に渡るハンセン病の歴史を描いた作品です。