新規配給作品

葦牙(あしかび)

子どもたちの“こころ”を作る物語

 1990年から顕著になってきた児童虐待は年々拡大し、かろうじて救われ、施設に保護されている子どもの数は4万に及びます。これは幸運にも保護された児童の数です。表に表れない数は30万人とも推定されています。未来の担い手である子どもたちの受難の先に見えるのは、ほころび始めた私たちの社会です。
岩手県盛岡市にある児童養護施設「みちのくみどり学園」は盛岡市だけにとどまらず、岩手県の様々な地域と連携し、子どもたちの“こころ”の回復に取り組んでいます。一関市室根の太鼓合宿、西和賀町の生活体験合宿。そして、職員と子どもたちの共同作業から生れる弁論大会。
この作品には“人・自然・文化”のつながりを活かした子どもたちの“こころ”を作る物語が描かれています。

生命の息吹・・・葦牙(あしかび)

「葦牙(あしかび)」とは葦の若芽のことです。
春になり、水辺の葦が芽吹き、水面にそのとがった新芽が点々と顔を出します。この言葉の始まりは古く、古事記にも「葦牙の如く萌え騰がれる」と神々の誕生が記されています。「葦牙(あしかび)」は生命力の象徴なのです。子どもたちは毎年息づく葦のごとく力強く生きています。

この映画は、親に虐待された子ども達の心の軌跡と、それを見守り、育み、心の回復に真剣に立ち会おうとする人々の記録です。

※本作品は、スクリーンでの上映のみという条件のもとで製作が実現しました。DVD等の映像メディアの販売及びテレビ等での放映はありません。
※本作品のお問合せ・ご相談は徳島映画センターTEL088-631-5847までどうぞ。

スタッフ

製作総指揮/武重邦夫 監督/小池征人